刑法(公務員職権濫用罪)

公務員職権濫用罪(7)~「本罪の共犯(共同正犯)の考え方」を説明

 前回の記事の続きです。

公務員職権濫用罪の共犯(共同正犯)の考え方

 公務員職権濫用罪(刑法193条)は、犯人が公務員の身分を要する身分犯です。

 なので、公務員以外の者が公務員職権濫用罪の犯行に加功したときは、刑法65条1項

「犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは、身分のない者であっても、共犯とする」

という規定の適用により、共犯(共同正犯)とされることとなります。

 また、公務員であっても、一般的職務権限を異にする公務員が加功したときは、その者については、自己の職権の濫用ということは考えられないので、公務員職権濫用罪の適用については、仮に公務員の身分を有していたとしても、刑法65条1項により共犯とされることとなると解されています。

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