法律(刑法)

詐欺罪㉒ ~「談合入札は詐欺罪を構成しない」を判例で解説~

談合入札は詐欺罪を構成しない

 詐欺罪(刑法246条)について、談合入札に関する詐欺の判例を紹介します。

 競争入札において、談合行為(入札者があらかじめ入札価格を協定しておきながら、表面上は競争入札のように見せかける行為)は、詐欺罪(刑法246条)を構成しないというのが判例の立場です。

大審院判決(大正8年2月27日)

 この判例で、裁判官は、

  • 入札者は、随意に入札価格を定める自由を有し、入札者の連合による協定入札は注文者に対し、価格の量定を誤らしむる手段にあらずして、入札者が自己に利益なる価格を主張する方法なりと解すると相当とする
  • 従って、請負工事に関し、入札者が入札価格に関し、協定入札をなしたることは、詐欺罪における欺罔手段の施用とならず
  • 入札者が入札価格に関し、協定又は談合をなしたる一事は、詐欺罪を構成する理由とならざるものとす

と判示し、競争入札における談合行為は詐欺罪を構成しないとしました。

 なお、公の競売・入札については、昭和16年の刑法の一部改正(昭和16年法律61号)で96条の3の規定が追加され(現行の刑法96条の6第2項)、公の競売・入札について公正な価格を害し、又は不正な利益を得る目的で談合する行為は、談合罪として処罰できるようになりました。