刑法(強盗罪)

強盗罪(28) ~他罪との関係①「強盗罪と住居侵入罪・建造物侵入罪、常習住居侵入強盗との関係」を判例で解説~

 これから数回にわたり、強盗罪と他罪との関係について説明します。

強盗罪と住居侵入罪・建造物侵入罪との関係

 強盗罪(刑法236条)と住居侵入罪・建造物侵入罪刑法140条)の関係について説明します。

 通常、住居侵入罪(又は建造物侵入罪)と強盗罪との関係は、強盗をするために住居に侵入するという「手段と結果の関係」があるため牽連犯(けんれんぱん)となります。

 たとえば、被害者の家に侵入し、強盗をすれば、住居侵入罪と強盗罪の両罪が成立し、両罪は、手段と結果の関係に立つので、牽連犯として、「住居侵入罪・強盗罪」の一罪として処断されることになります。

 住居侵入罪が独立した一罪として成立し、次いで、強盗罪が独立した一罪として成立し、両罪が併合罪になるということはありません。 

 この点について、以下の判例があります。

最高裁判決(昭和23年12月24日)

 この判例で、裁判官は、

  • (住居侵入罪と強盗罪は)その被害法益及び犯罪の構成要件を異にし、住居侵入の行為は、強盗罪の要素に属せず、別個独立の行為であり、しかも通常、右両罪の間には手段結果の関係のあることが認められるから、原判決が右両罪を刑法第54条第1項後段のいわゆる牽連犯として擬律しているのは正当である

と判示し、住居侵入罪と強盗罪は牽連犯として評価するのが正しいとしました。

最高裁判決(昭和25年9月21日)

 この判例で、裁判官は、

  • 住居侵入罪と強盗罪とは、おのおのその被害法益と犯罪構成要件とを異にしているのであって、強盗罪は常に当然住居侵入を伴うものではなく、ただ両者は通常手段結果の関係があるに過ぎない
  • されば、原判決が被告人の住居侵入と強盗の所為刑法54条1項後段にいわゆる牽連犯として擬律したのは正当である

と判示しました。

常習住居侵入強盗との関係

 常習として、繰り返し住居侵入(又は建造物侵入)をして強盗罪を行った場合、常習住居侵入強盗(盗犯等の防止及処分に関する法律2条3号)が成立します。

 常習住居侵入強盗においては、住居侵入からの強盗行為が、常習住居侵入強盗の構成要素となっているので、常習住居侵入強盗が成立する場合には、常習住居侵入強盗の一罪が成立し、住居侵入罪と強盗罪は独立して成立しません。