刑法(強盗罪)

強盗罪(27) ~罪数③「1個の強盗行為によって、1項強盗と2項強盗が行われた場合は、強盗罪の一罪が成立する」を判例で解説~

1個の強盗行為によって、1項強盗と2項強盗が行われた場合は、強盗罪の一罪が成立する

 強盗罪(刑法236条1項・2項)において、1個の強盗行為(脅迫・暴行)によって、財物を強取するとともに(1項強盗)、財産上不法の利益を得た場合(2項強盗)には、刑法236条の強盗罪一罪が成立します。

 同一の機会に、財物の強取(1項強盗)と財産上不法の利益の強盗(2項強盗)とがある場合も同様に、刑法236条の強盗罪一罪が成立します。

 もっとも、同一機会ともいえない場合には、1項強盗と2項強盗が別々に独立して成立することになります。

 刑法236条の強盗罪一罪が成立するとは、「刑法236条1項の強盗罪」と「刑法236条2項の強盗罪」とが、それぞれ独立して別々に成立せず、まとめて「刑法236条の強盗罪」として成立するということです。

 この点に関する判例について、恐喝罪の判例があります。

 強盗罪の判例ではありませんが、考え方は強盗罪に適用できます。

大審院判決(明治45年4月15日)

 この判例は、1個の恐喝行為で、1人から財物及び財産上の利益を得た場合(刑法249条の1項の恐喝と2項恐喝を同時に行った場合)は、包括して1個の恐喝罪が成立するとしました。

 裁判官は、

  • 刑法第249条第1項及び第2項は、同一罪質にして、また同一罪名をなすものなれば、第249条は1個の罪名に関する規定にほかならず、故に、同一の被害者に対する1個の行為にして同時にその第2項及び第1項に触れる場合には、もとより2個の罪名に触れるものとして同法第54条第1項前段の適用を受けることなく、単に1個の罪名に触れる恐喝罪を構成するものとす

と判示しました。

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強盗罪(27) ~罪数③「1個の強盗行為によって、1項強盗と2項強盗が行われた場合は、強盗罪の一罪が成立する」を判例で解説~